■2017.10.15号 No332
安全運転義務違反の事実は見当たらない
不起訴処分が決定
 Aさんは、2017年7月14日午前0時55分頃、多摩川の土手を走る多摩堤通りを二子多摩川方面から多摩川駅方向へ空車にて走行中、世田谷区野毛2丁目5番先で歩行者と接触し負傷させてしまいました。多摩堤通りは幅員7・55m片側1車線の道路です。特に事故現場付近は路側帯のない無余地地帯で人が歩くスペースがない道路です。Aさんは、深夜でスピードを出す車が多いなか、法定速度で充分車間距離も取りながら走行していました。前方に飲酒しながら歩く歩行者を発見しましたが、直前に対向車とすれ違い、ライトに幻惑されて、並んで歩く女性のうち、黒色の服装をした右側の女性Bさんの発見が遅れました。気が付いて右にハンドルを切り、急制動をしましたが、間に合わずBさんは転倒し負傷してしまいました。
 Aさんはすぐに救急車を呼び、警察に連絡。さらに会社と組合にも連絡を入れました。後日、傷病名を確認すると「左手背挫創、左手第3指基節骨骨折、頸椎捻挫骨折、頭部挫創3針、その他6傷」となる重傷事故でした。
 連絡を受けた組合法対部は、現場検証を実施しました。ドライブレコーダーの映像では、5〜6mぐらい手前で人が歩いているのが確認できますが、その時点では右側の女性(Bさん)は足下まで黒い服装のため、確認できません。当日は曇りで路面は乾いた状態です。制限速度の40`で走行していたとすれば、空走距離11m、制動距離11mで発見から停止まで22m必要なことがわかります。Aさんは、片側車線のほぼ中央を歩いていたBさんの手前で停止することが困難と判断し、回避行動をとっています。
 組合は、この事故は無余地道路を深夜に歩いていた相手方の責任度合いが高いことと、20号通達にある「当該交通事故の際の具体的事情から判断して、結果予見及び結果回避の可能性がなく、事故防止の期待可能性がない場合」に該当するため、安全運転義務違反の事実は見当たらないとして、行政処分課へは加点入力停止申立書、検察庁には意見書を提出しました。その後、検察庁から事情聴取があり、不起訴処分が決定しました。
【東京地連・道交法対策委員会】