白タク対策会議
  東京地連は、急加速している白タク合法化の策動に対応するために「白タク対策会議」を立ち上げました。構成メンバーは3役専従者と各ブロック代表からなる委員(個人タクシーを含む)に加えて自交総連本部と関係弁護団です。
  第1回目の会議は12月1日、東京地連会議室で開催され、自交総連本部からは今村書記長が出席しました。
  会議では、白タク行為の基本概念とあわせてライドシェア(相乗り)の合法化にむけたうごきを確認したうえで、阻止の取り組みについて旺盛に議論しました。
  川崎書記長からは、事業者団体が全タク連レベルで産別連合体としての東京ハイタク労組代表者会議との共同行動を積極的に検討していることと、それを受け止める労働側の議論が報告され、今村書記長からは全国規模の他産別から共同の取り組みについて打診があったことが報告されました。
  今後の運動については、道路運送法に反する白タク行為は認められないとしている国土交通省の姿勢を評価・支持する立場で白タクの危険性を訴え、世論化をはかりながら安心・安全なタクシーをアピールしていく宣伝行動の構築を確認しました。



白タク対策会議 2016年度の取り組み


(1)第1回白タク対策会議 2016年11月24日(木)東京地連会議室
 白タク対策会議は、2016年度の第1回目となる会議を11月24日、東京地連会議室で開催しました。
 情勢確認では @政府のシェアリングエコノミー検討会議が11月4日に7回目の会合を終え、中間報告書をまとめた。内容には、白タク・ライドシェアを政府の政策テーマとして取り上げるべきであるとか、検討の場を政府部内に設けるべきであるといった文言は盛り込まれていないが、そうした意見が複数の構成員から出てきたことは明記されている。Aタクシーに特化したライドシェア事業としてウィズキャブ社(東京・目黒区)は9月16日、スマートフォンのiosアプリ「WithCab(ウィズキャブ)」の配信を始めた。GPS位置情報を使い、現在地付近にいる同じ方向に行きたい人同士をマッチングさせるサービスで、タクシーの乗車運賃を安く抑えられるとしている。当面利用できる時間は午後7時から翌午前2時までで、場所は東京の港区と渋谷区に限定した。利用にはフェイスブックのログインが必須で、相乗り相手の実名や顔を確認できる。チャットや番号非通知電話など待ち合わせ機能も備える。B政府の国家戦略特区諮問会議(議長=安倍晋三首相)が10月4日、首相官邸で会合を開き、前回9月9日の会合で提案のあった、内閣府と東京都による共同事務局の設置を決め、同日付けで発足させた。C経済産業省は10月27日、「ドライバーマッチングサービスに係る道路運送法の取扱いが明確になりました」とする文書を発表した。大手旅行会社H.I.Sの子会社で沖縄で営業を開始した「ジャスタビ」の照会に答えたもので、外形上の分離があれば、運転者を紹介しても直ちに違法ではないとしている―などが報告されました。
 今後の取り組みについては、年内にマスコミを対象とした宣伝行動をブロックごとに実施することと、自治体(市・区・町・村)に対して「ライドシェアへの慎重な対応を求める要請」を取り組むことを確認しました。

(2)白タク対策会議宣伝行動 2016年12月6日(火)霞ヶ関
 東京地連の白タク対策会議は12月6日、霞ヶ関二丁目の財務省前で白タク合法化反対宣伝行動を実施。7組合34人が参加しました。
 城委員長は「利用者の安心・安全を無視して利益を追求しようとするうごきがライドシェアと称する白タクだ。対抗策として事業者は、初乗り距離短縮運賃を導入しようとしているが、歩合制賃金のタクシー労働者は売上確保のため労働強化となり労働条件が悪化し、安心・安全が確保できない。断固反対する」と訴えました。
 続いて川崎書記長が「政府の未来投資会議のなかで、竹中平蔵氏がライドシェアを認めるよう力説している。一部の人々が利益を得るために必要な規制を取り払おうというものだ。安心・安全を破壊する行為は断固として許さない」と訴え、参加者は道行く人々にポケットティッシュに入れたビラ1,500枚を配布しました。

(3)白タク合法化阻止マスコミ宣伝行動 12月13日(火)TBS周辺
                   12月20日(火)フジテレビ、NHK周辺
                   12月21日(水)日本テレビ、テレビ朝日周辺

 東京地連の白タク対策会議は、政府の国家戦略特区諮問会議などを中心に急加速するライドシェア容認にむけたうごきを重視し、白タク合法化阻止と事業者がその対抗策として導入しようとしている初乗り距離短縮運賃への反対の世論喚起として、マスコミむけの宣伝行動を年内にブロックごとに取り組むことを確認。12月13日朝、北部ブロックが赤坂TBS周辺で宣伝行動を実施し、岸田議長と二階堂事務局長が宣伝カーから白タクの危険性と初乗り距離短縮運賃の問題点を訴え、参加者は道行く人々にポケットティッシュに入れたビラを配布しました。
 12月20日の朝は、東部ブロックがフジテレビ周辺で、また西部ブロックが実施したNHK前で城委員長は「利用者の安心・安全を無視した一部の人々の利益追求がライドシェアと称する白タク合法化だ。事業者がその対抗策として導入しようとしている初乗り距離短縮運賃では歩合制賃金のタクシー労働者は、売上確保のため労働強化につながり、労働条件が悪化する。安心・安全が担保できない行為には断固阻止していく」と力強く訴えました。
 翌21日の朝、南部ブロックが実施した汐留日本テレビ周辺では通勤途上の人々の多くが信号待ちの交差点で弁士の話に耳を傾け、その後移動して実施した六本木のテレビ朝日周辺では「今朝のタクシー運賃改定のテレビ放送を見た」という人が受け取ったビラに見入っていました。この宣伝行動に23組合61人が参加し、3,500枚のビラを配付しました。

(4)全都いっせい新春宣伝行動 2017年1月6日(金)各駅・ターミナル
 東京地連は1月6日、東京春闘共闘の仲間とともに全都いっせい新春宣伝行動を実施。東京、池袋、新宿、二子玉川、恵比寿、目黒、品川、上野、蒲田の主要ターミナル駅の他、三多摩地区では花小金井駅、多摩センター駅、町田駅の3駅で宣伝行動を取り組みました。
 池袋駅では本部の菊池書記長が「安倍政権による大企業優遇の政策では景気は回復しない。国民・労働者本位の政治に変え、中小企業で働く人たちを支援する政策や、すべての労働者に適用される最低賃金を1,000円でなく、1,500円以上に引き上げることが重要だ。非正規労働者も含めたすべての労働者の賃上げを実現するなど、はたらく仲間が力をあわせて労働条件改善をめざして奮闘しよう」と力強く訴えました。新宿駅西口では宣伝中に通りかかったタクシー乗務員が「職場で使いたいので」とビラを持ち帰るという光景もみられました。

(5)春闘スタート、白タク合法化阻止、規制強化 2・1いっせい宣伝行動
2月1日(水)各駅・ターミナル

 東京地連は2002年に実施されたタクシー規制緩和の日である2月1日に、毎年、規制緩和に反対する宣伝行動を実施しています。今年は、41駅で取り組み、34組合136人が参加しました。
 宣伝カーを上野駅と東京駅に配置し、城委員長、川崎書記長をはじめブロックの代表がライドシェア・白タク合法化反対を訴えるとともに初乗り距離短縮導入や事業者が今後導入を検討している活性化11項目などの労働条件改善につながらない運賃制度の改悪を批判しました。
 この日は、初乗り距離短縮運賃導入2日目とあって、その状況についても聞き取りをしました。
 下町や市街地で駅づけ専門に営業している乗務員からは、初乗りの確率が高く減収になっているという声が多く聞かれ、逆に駅づけをあまりしなかったり都心で営業している場合は「売り上げや回数はあまり変わらない」という声が多く聞かれました。また、マスコミの報道ぶりから「近距離は安く乗れる」と捉えている利用者が多く、時間距離併用部分の上がりの速さに不満を抱くケースもあるようでした。一方、中長距離の利用者からは「いつもより高くなった」と言われるという声が聞かれました。

(6)第2回白タク対策会議 3月24日(金)東京地連会議室
 白タク対策会議は、本年度第2回目となる会議を3月24日、東京地連会議室で開催。ライドシェアをめぐる国内外の情勢を確認するとともに今後の運動について議論しました。
 情勢は、国策としての自動運転化の推進とあいまって、国内におけるシェアリングエコノミーの展開を主張する勢力が政治の中枢に接近している状況はさらに深化しており、一方でジャスタビなどの新タイプのビジネスによる攻勢もタクシー産業に大きな脅威を与える状況になってきています。
 今後の運動については、そうした情勢を踏まえ、世論化をはかることを第一義とする姿勢を堅持し、他産別労組や事業者団体にも引き続き協力・共同を呼びかけながら、白タク合法化阻止のたたかいを強化することを確認。具体的な取り組みとして3月30日に開催される楽天株主総会にむけての抗議宣伝行動や5月12日の夜の銀座宣伝行動などについても実施することを確認しました。

(7)白タク合法化阻止・楽天株主総会宣伝行動 3月30日(木)品川駅高輪口周辺
 白タク対策会議は、白タク合法化を推進する新経済連盟の三木谷氏が代表をつとめる楽天の株主総会が開催された3月30日、品川駅高輪口と総会会場となったホテルの周辺で宣伝行動を実施。書記局を含め15組合61人が参加しました。
 城委員長、自交総連本部・菊池書記長、東京地連・川崎書記長、対策会議のメンバーが次々と訴えるなか、参加者は「白タク合法化断固阻止」などのプラカードを掲げ、道行く人々にビラ2,000枚を配布しました。

(8)東タク協申し入れ行動 4月5日(水)東タク協
 東京地連は4月5日、東タク協申し入れ行動のなかで、重点課題として「白タク合法化阻止」のための共同の取り組みを呼びかけました。東タク協側は、この間、労使双方が国会議員なども含めたそれぞれのパイプを通じて進めてきた自治体への働きかけを踏まえ「都議会としての政府・国会にむけた意見書については野党の反対で提案できないことになった。別の取り組みについては組合から提案してほしい」と答えました。

(9)白タク合法化阻止・銀座宣伝行動 5月12日(金)銀座
 東京地連は、春闘討論集会で提案され、白タク対策会議で取り組みが決定した「夜の銀座宣伝行動」を5月12日、21時30分から約1時間実施しました。
 ポケットティッシュに詰めた「ライドシェアの危険性を訴えるビラ」1,000枚を各ブロックごとにエリアを決めて、待機しているタクシー・ハイヤーの乗務員に配布し、 宣伝カーは、組合員がビラを配布している間に、看板を点灯して銀座中央通りを中心に巡回宣伝しました。
 対話に応じる乗務員も多く、ルームランプをつけて受け取ったビラを読む姿も多数見受けられました。書記局を含めて11組合21人が参加しました。

(10)準大手3労組連絡会議ジャスタビ現地調査 5月20日(土)〜22日(月)
 準大手3労組連絡会議は5月20日〜22日、沖縄ジャスタビの現状を調査しました。 
 沖縄は観光振興を主な産業として発展しています。しかし観光客が増加しているにもかかわらず、電車がなく、路線バスや観光バス、リムジンバス等の輸送機関も十分とはいえません。その解決手段としてレンタカー事業が発達しており、沖縄のレンタカーは38,000台が稼働しています。そこに目をつけたジャスタビが進出し、4月のマッチングは280件で、特に中国語を必要とする利用者が増加しているようです。
 今回のドライバーは「今月は10回程度乗務した」と話し、運転や接遇にはおおむね問題はありませんでしたが、今後この事業が拡大した場合、すべてのドライバーが今回のドライバーと同等の技術を持っているとの保証はありません。2種免許を持たず、アルコールチェックや労務時間の管理等もない状態でドライバーと観光客とのマッチングを主張するジャスタビには問題があります。特に安全面での保障が全くない状況で、これをビジネスモデルとして認可するには無理があります。運転代行業として2種免許資格者が安心・安全を確保したうえで運行するべきです。

(11)自交総連・楽天本社抗議宣伝行動 6月7日(水)田園都市線・二子玉川駅周辺 
 自交総連は6月7日、楽天本社のある田園都市線・二子玉川駅前にて「白タク合法化阻止」宣伝行動を実施しました。
 城委員長、自交総連本部・菊池書記長、東京地連・川崎書記長と大阪、福岡、埼玉、神奈川の代表がマイクを握り白タク合法化の問題点と危険性を訴えました。
 参加者はポケットティッシュに折り込んだビラ2,000枚とうちわを配布するとともに「楽天三木谷社長は危険な白タク合法化で輸送の安全を破壊するな」の横断幕を掲げて道行く人にアピールしました。
 書記局と全国の仲間を含め15組合79人が参加しました。
 
(12)東タク協への提案 6月12日(月)東タク協
 東京地連は、4月5日の東タク協申し入れ行動のなかで、東タク協側が白タク合法化阻止の共同行動について「組合から提案してほしい」と答えたことをうけ、提案内容について議論をしてきました。現時点では、「ビラ、うちわ、風船などを共同で作成し、宣伝行動も共同で実施する。タクシー車両に共同で作成したボディー・ステッカーを貼付してキャンペーンを実施する」―などの案が出されています。
 川崎書記長は6月12日、これらの提案を踏まえて東タク協・清水労務委員長を中心とするメンバーと会談しました。

関連する取り組み
1.自治体要請
 東京地連は、都内のすべての区市町村を対象にライドシェア反対の意見書を採択するよう要請活動をすすめています。これまでに、品川区議会で委員会趣旨採択、港区・目黒区・世田谷区議会で組合の代表が委員会で趣旨説明を行うなど審議がすすめられています。

東京・中央区でライドシェアの意見書採択
 東京都中央区議会は3月30日、「自家用車を利用したライドシェア解禁の慎重な審議を求める意見書」を全会一致で採択しました。
 
自家用車を利用したライドシェア解禁の慎重な審議を求める意見書
 政府の規制改革推進会議は、一般のドライバーが料金をとって自家用車で利用客を送迎するライドシェア(相乗り)解禁の検討を始め、六月にまとめる答申に盛り込む意向を示しています。
 政府は、二〇二〇年に外国からの訪日客を四千万人にする目標を掲げ、急増する交通需要への対応として早ければ来年の通常国会での法整備をめざすとしています。
 ライドシェアは、タクシードライバーに必要な二種免許は必要ありません。「免許取得後一年以上経過」「認定講習の受講」などの条件をあげるだけで、運転前のアルコールチェックの義務付けもしません。
 運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態で旅客運送を有償で行うことについて、安全確保、利用者の保護の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要です。
 よって、中央区議会は、政府に対し、ライドシェア解禁の慎重な審議を求めるものです。右、地方自治法第九十九条の規定により、中央区議会の総意をもって意見書を提出します。

平成二十九年三月三十日
東京都中央区議会議長 押 田 まり子 

衆議院議長/参議院議長
内閣総理大臣/規制改革担当大臣 あて

東京・豊島区議会がライドシェア反対の意見書
 東京都豊島区議会は7月12日、ライドシェア・白タク合法化反対についての意見書を全会一致で採択しました。東京の区議会では3月30日の中央区議会に続く採択です。
 東京地連では、都内の全区市町村を対象に要請のとりくみをすすめています。豊島区議会へは北部ブロックが担当して、5月に日本共産党区議全員と協議を行いました。より広範な議員の協力を得て議会に請願することになり、公明・共産・民進・社民各会派の議員に紹介議員になってもらい区議会に提出、7月10日の都市整備委員会で平澤収書記次長が意見陳述を行い、ライドシェアの危険性を訴えました。

ライドシェア・白タク合法化反対についての意見書
 ライドシェアは、2種免許を持たない一般ドライバーが自家用車で旅客を輸送するもので、安全を旨とする公共交通とは相いれないものであり、わが国では、道路運送法に違反するいわゆる白タク(無許可タクシー)行為に相当する。
 しかしながら、平成28年5月27日に、一の市町村の区域内における外国人観光旅客等の移動のための交通手段を提供することを主たる目的として自家用自動車により行われる運送手段を新規追加した国家戦略特別区域法の一部を改正する法律が参議院本会議で可決成立した。その際、「いわゆるライドシェアの導入は認めないこと」などを盛り込んだ附帯決議が国会でも採択されている。
 今後についても、今回の法改正が将来のライドシェア合法化への道ならしとならないよう、強く希望するものである。
 よって、豊島区議会は、改めて国会及び政府に対し、タクシーに課せられた2種免許や運転前のアルコールチェックなどの安心・安全に関わる規制をすべて取り払ったライドシェア、いわゆる白タクの合法化を行わないよう強く求める。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成29年7月12日
豊島区議会議長 木下 広
衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣
国土交通大臣/内閣府特命担当大臣(規制改革)あて

2.東京都議会へのはたらきかけ
東京地連は、東京都議会にも意見書を採択させるべく日本共産党と連携をはかりながら東タク協にも共同を呼びかけるなど取り組みをすすめました。他産別労組のうごきとも連動するなかで、あと一歩というところまでこぎ着けましたが、全会一致とならず採択は実現しませんでした。

3.自交総連3.8中央行動・経済産業省・国土交通省交渉 3月8日(水)
 自交総連は、3月8日の中央行動で実施した経済産業省・国土交通省交渉との交渉で、2016年10月27日付の「ドライバーマッチングサービスに係る道路運送法の取り扱いが明確になりました」とする「グレーゾーン解消制度」に基づく回答について、@道路運送法および人を輸送する行為の安全性確保の観点から再検討すること。Aジャスタビが沖縄で実施しているレンタカーを利用した道路運送法違反行為を容認する判
断を示さないこと―要請しました。
 当局側は新たなサービスについては担当所管がないため経産省が窓口として対応しているとしたうえで「経産省は事業所管官庁として、道路運送法という法律を所管している国交省へ照会し、合理性を判断して結果を公表した。(国交省の)回答内容は、ドライバーと自動車が一体でなければ道運法に抵触せず、資本関係などがなくとも事実上一体であれば(道運法違反に)該当する、というもので、(経産省は)そうであるならそうであると解釈した」と回答。組合側が「ジャスタビの安全性を見るのは、結局どこの所管になるのか。経産省でも国交省でもないなら、どこに問い合わせればいいのか」と追及すると、「ドライバーの提供という行為だけでは道運法の範疇ではなく、国交省が動くという話にならない」と逃げ、「所管が及ばないということか」との指摘には、「道運法の枠から外れたものは監督できない」とし、結局、「安全を監督する省庁はないということか」との再三の指摘に対して、質問に答えず頷くといった態度に終わりました。

4.参議院・消費者問題特別委員会 3月21日(火) 参議院
 日本共産党の山添拓参議院議員は3月21日、参議院の消費者問題特別委員会でジャスタビの問題について質問しました。
 山添議員は「2016年5月に沖縄でジャスタビがレンタカー利用者と運転者のマッチングサービスを開始した。ドライバーが自らの車を使ってお金をとって運転をすれば白タク行為で禁止されるのに、客が用意したレンタカーであれば禁止されないという理由は何か」と質し、国交省が「レンタカーについては、借り受けた者と運転する者が同一であることは求められていない。よって、レンタカーを借り受けた者に代って運転を行うことや、そのようなドライバーを仲介することは法令に抵触するものではない。レンタカーの貸し渡しとドライバーの仲介が一体として行われる場合など自動車運送事業に類似する行為が行われることのないよう、今後の具体的な事業展開の状況を注視していきたい」と答弁すると、「一体的でなければ抵触しないという説明だが、法律にはそういう文言はない。国土交通省は2015年に規制改革ホットラインでライドシェアについて提案を受けた際の回答で、マイカードライバーは2種免許等を有していない、運行管理、労働時間管理、飲酒チェック等が行われないなどとして、慎重に判断する必要があるとしていた。ジャスタビの事業も本質的な違いはない」と指摘。兼業の問題や事故時の保険などについても追及しましたが、国交省は「旅客自動車運送事業やレンタカー事業には当たらない事業について国土交通省に監督責任はない。レンタカーが事故を起こした場合の責任については、レンタカー事業者が賠償責任を負う。これはレンタカー利用者に代わって運転して事故を起こした場合も同様。利用者に生じた損害については、利用者とドライバーの間で、あるいは保険によって解決される。アルコールチェックなどの運行管理を行う義務はない。兼業についても特段の規定はない。改善基準告示の適用については厚生労働省が判断する」と答弁しました。
 山添議員は外国の実例もあげながらその危険性を強調しましたが、結局、どの省庁も利用者の安全に責任を負わないという極めて無責任な姿勢があらためて浮き彫りになりました。

関連するうごき
1.国土交通省は「対応不可」 
 国土交通省は、規制改革ホットラインで新経済連盟から要請されていたライドシェア実現のための法整備について、3月31日付で「対応不可」との回答を出しました。
 回答では、新経連の要請が、プラットフォーム(仲介企業)に運転者管理など一定の責任を負わせるとしているのに対し、「運行管理や車両整備管理等について責任を負う主体を置いたものとは言えない」としたほか、プラットフォームとドライバーに保険加入を義務付けるとの提案にも、保険だけでは「国民の理解を得られない」、タクシー運転者の労働環境に影響を与えるなどとして、「提案の内容は、安全確保、利用者保護等の観点から適切ではない」としています。
 規制改革(推進)会議に対してライドシェア解禁の提案が出されたのは3回目で、1回目は2015年4月、2回目は2015年10月に新経連が提案、それぞれ2015年6月、2016年8月に国交省が「対応不可」と回答しています。3回目の提案となった今回も、「不可」が維持されましたが、規制緩和をとなえる勢力は根強く、執拗に解禁を求めてくることが予想され、規制改革推進会議で今後、議題にのぼる可能性もあります。

2.「事前確定運賃」と「相乗りタクシー」
 東タク協は、ライドシェアへの対抗策として全タク連がまとめた11項目の事業活性化策のうち、国交省の2017年度予算にも盛り込まれた「事前確定運賃」や「相乗りタクシー」の実証実験に2017年度中に取り組み、早い時期にその是非を判断し、本格運用に踏み出す可能性があります。
 相乗りタクシーについては、マスコミなどでとりあげられるようになり一般の関心も高まっているようですが、事前確定運賃のような具体的内容の説明会が開催されるという段階ではありません。いずれにしても、私たちは、どのような施策であろうと労働条件の改善につながらないものにはきっぱりと反する姿勢を貫きます。