2021.11.15号 No404 ベテラン乗務員――魔がさし、ひき逃げ――

■2021.11.15号 No404
ベテラン乗務員
魔がさし、ひき逃げ

今号は、事故を起こして現場を離れた場合、ひき逃げや当て逃げを適用されるおそれがあることから、注意喚起を促します。
2005年にAタクシーのZ乗務員は、世田谷区成城7丁目付近を空車走行中に通学中の児童Yさんに接触。Z乗務員は、車から降りて「怪我は大丈夫ですか。すぐに戻ってくるからここにいてね」と言って現場から立ち去りました。その様子を見ていた通行人Xさんが、挙動不審だと思いタクシー会社とドアナンバーを手帳に記載し、Yさんを救護して119番通報しました。
警察は、早速捜査を開始して、自宅に逃げ帰ったZ乗務員を緊急逮捕。怪我の程度は、幸い擦り傷程度でしたが、被害者家族の心情は察するに余ります。Zさんは、30年のベテランでしたが人身事故の経験がなく「事故を起こしたときは、頭の中が真っ白になりこのまま逃げようと魔がさした。大きな怪我でないから大袈裟にはならないだろうと思い込んでしまった」と聴取に答えたそうです。
会社は、運輸局や労基の監査対応のために労働時間や日報記載を厳しく管理するようになり、他の乗務員から「Zのおかげで労務管理が厳しくなり稼げなくなった。毎朝運行管理者に説教され頭にくる」との声が上がり始めました。組合は、会社へ運行管理の徹底と出庫前に不愉快になる言動をしないよう申し入れ、日報の書き方などを帰庫後の乗務員に指導し、Zさんへの攻撃を阻止しました。当時、100%近い稼働のA社は、監査で車両停止処分を避け、指導書のみとなりました。
Zさんは、道交法闘争から逃げ、3年の運転免許欠格となり、会社から去って行くことで、この事故から逃げたことは許せませんが、組合としてZさんを改心させられなかった反省を当時の大会議案書で総括しています。
個人タクシーの交通共済による報告で、ひき逃げにはなっていませんが、当て逃げ事案が発生しています。個人タクシーは、運転免許証が失効すれば事業免許もはく奪されてしまいます。東個労に加入して、道交法闘争を通じて安全運転に徹することを期待します。

【東京地連・法対部】