2022.11.1号 No421 メリットが大きい 「違反者講習」――交通安全意識を向上させる 目的とした制度――

■2022.11.1号 No421
メリットが大きい「違反者講習」
交通安全意識を向上させる
目的とした制度

今号では、違反者講習の点数計算・処分の特例について掲載します。
交通違反後、講習料がもったいないなどの理由から「違反者講習」の通知を無視して免停となり、違反者講習の優遇措置を後から知って後悔するケースがあります。
免許停止の処分を受けた人でも、ある一定の要件を満たす場合は「違反者講習」を受けることが可能です。この講習を受講すると本来は受けなければならない免許の停止処分やその後の点数計算について、例外的に扱われる優遇があります。この講習は平成10年の道路交通法改正で始まった制度で、軽微な違反者に対しては例外を設けることで、交通安全意識を向上させる事を目的とするとしています。
違反者講習は危険性が低い人を対象としているため、すべての違反者が受けることができるわけではなく①から③のすべてに該当する人が講習を受けることができます。①軽微違反行為をし、当該一般違反行為に係る累積点数が6点である。②軽微違反行為をしたときに前歴がない。③軽微違反行為をした日を起算日とする過去3年以内に(1)~(4)に当てはまることがない。軽微違反でも講習を受けられない場合は(1)違反者講習を受けたことがある。(2)行政処分の基準に該当する違反行為をした。(3)重大違反唆し等をした。(4)道路外致死傷を起こしたことのある人は適用外となります。交通事故の場合は①~③に該当していれば、基本点数2点+不可点数4点で合計6点であった場合でも違反者講習の対象となります。
講習の対象者は累積点数が6点となり30日免停の対象者となります。しかし、違反者講習を受講すると①30日免停の行政処分が行われない。②違反者講習を受けた後に再び違反をした場合でも、違反者講習を受ける前の6点は累積されない。③前歴として評価されないなどのメリットを受けることができます。
交通違反をしてしまった後に受ける講習には上記の違反者講習と似た名称の「停止処分者講習」と「取消処分者講習」というものがありますので混同しがちですので注意が必要です。
【東京地連・道交法対策委員会】