2024.2.1号 No433 多くが危険と感じる 電動キックボード――多発する事故と交通ルール無視――
■2024.2.1号 No433
多くが危険と感じる電動キックボード
多発する事故と交通ルール無視
電動キックボードでの全国初の単独死亡事故が、昨年9月25日に都内で発生しました。 捜査関係者によると会社役員は事故の前、知人らと飲食店で飲酒。電動キックボードに乗って帰路につき、中央区勝どきの自宅マンション1階の駐車場の車止めに衝突して転倒。頭部を強く打ち搬送先の病院で死亡しました。
電動キックボードは、主にシェアリングサービスを通じて、2017年頃から欧米で急速に普及してきました。日本においては、2023年7月1日に道路交通法が改正され、「特定小型原動機付自転車」という新たな区分が作られ、公道での走行が認められています。
東京地連では、電動キックボードが普及して公道での走行が増えると重大事故に発展するとして、2021年に警察庁へ電動キックボードの危険性について要請しています。
回答としては「国として、シェアリングサービスでの移動手段やレジャーの一つとして普及させ、公道での走行を可能とする方針が決まっており、危険が予測されるため運用を止めることはできない」とするものでした。運用が開始となり、公道での危険走行を見かけることも多くなるなかで、レンタルポートは全国に5800ヵ所以上となっています。
損害保険ジャパン株式会社が実施した「電動キックボードに関する意識調査」では、①電動キックボードの利用者を見て「危険だと感じたことがある」と回答した人は78・8%。②電動キックボードを「使用したことがある」と回答した人は約18%。③電動キックボードについて不安なことや使用しない理由としては「運転ルール・交通規則がわからない」(44・8%)「自分が転倒しそうで怖い」(42・4%)「他人(自動車や歩行者等)との接触が怖い」(40・5%)という回答となっており、交通ルールや事故のリスクに不安を抱えている人が多いことがわかります。
最近では一方通行の逆走やノーヘルで幼児を足下に乗せながらひき逃げを起こすなど、ルール無視の危険な走行での事故が増加しており、関連事故には十分な注意が必要です。
【東京地連・道交法対策委員会】