2015.5.15号 No290 居眠り事故対策 カフェイン摂取+仮眠が効果的
■2015.5.15号 No290
居眠り事故対策
カフェイン摂取+仮眠が効果的
長時間労働で気をつけなければならないのが「居眠り運転」です。特に高速道路本線での事故は重大事故につながります。年間2万件を超える高速道路事故の違反別で「前方不注視」が全事故のほぼ半数で、死亡事故においても約4割を占めています。前方不注視の要因の一つとして居眠り運転が考えられます。居眠り運転は過労運転とみなされ25点が加点されることから自己申告が少なく、居眠り事故の実態はつかみにくくなっています。
警察発表の居眠り事故は全事故の1%、死亡事故の3%ですが、ヨーロッパの統計から推察して日本の居眠り事故の実態も全事故の約2割と考えられます。
居眠り運転の原因は、①疲れによって脳の酸素(活動エネルギー)が不足して中枢神経への負担が過重になったとき、休息を要求する「疲労型」。②刺激がなく脳の酸素使用量が少ない状態が続くと脳の働きが不活発になり意識が低下する「単調型」が代表です。また、食事後も消化にエネルギーが費やされ脳の酸素が不足して眠気が生じます。
さらに、最近の研究では、「居眠り運転」は「生体リズム」との関係性が高いとされています。「生体リズム」は①24時間周期のリズム。②12時間周期のリズム。③2時間周期のリズム―があり、それによると眠気ピークの時間帯は14時~16時および2時~4時となっています。なお、2時間周期のリズムは単調作業時(高速道路運転時など)に顕在化します。
対策として有効なのが、①会話。②音楽。③体操・ガム―などがあり、効果が高かったものとして、仮眠の効果が実証されています。
脳の休息は睡眠慣性により作業能率が低下するため、効果的な仮眠時間は15分程度(ノンレム睡眠の第2段階まで)。それ以上は逆効果となります。また、カフェイン摂取も覚醒効果が高くなっています。効果が現れるまで20分程度ですが効果発生まで個人差があります。相乗効果によりカフェイン摂取プラス仮眠が効果的です。眠気ピークの時間帯にカフェインを摂取後、20分の仮眠をとるのがベストと考えられます。
【東京地連道交法対策委員会】