2024.3.1号 No434 8年ぶりに交通事故が増加――ストレッチ運動で事故防止と健康維持を――

■2024.3.1号 No434
8年ぶりに交通事故が増加
ストレッチ運動で事故防止と健康維持を

2023年の交通事故発生状況(交通安全ジャーナル調査データ)では、全国及び都内での発生件数、死者数、負傷者数のいずれも増加し、交通事故死者数の推移では8年ぶりに増加しています。
全国の死者数は2678人で、昨年より68人増となりました。一方、都内での事故発生件数は31385件(昨年比+1215件)、死者数は136人(昨年比+4人)、重症者1725人(昨年比+191人)、軽傷者33145人(昨年比+1250人)で増加傾向にあり、死亡事故の年齢区分では65歳以上の高齢者が一番多く、47人と全体の35%を占める結果となっています。
事業用車両の事故類型では「追突」が最多で全体の37%を占め、車両側が第一当事者になった違反のうち、その他・不明を省き、最も多かったのがハンドル操作、交差点安全進行の順となっています。
タクシーによる死亡事故では、自転車と自動二輪との事故事案が増加しており、人身事故などの過失運転致死傷案件となる事故も増えています。タクシーの事故の要因には健康リスクが挙げられ、平均年齢が58・3歳という高年齢化に加えて日々のストレスや長時間労働、睡眠不足があります。
タクシー運転手は特定の健康リスクに晒されており、心臓病や高血圧症による突然死が交通事故の要因になる場合も増加しています。
交通渋滞や乗客とのコミュニケーションなど、日々高いストレスと事故への不安が心理的な負担になり、うつや不安障害など精神的健康問題を引き起こすリスクも抱えています。精神的健康問題は、身体的健康にも悪影響を及ぼし、結果的に事故の起因となることもあり、不規則な勤務時間と食事時間や運動不足は健康的な生活習慣を維持することは難しく、糖尿病などの慢性疾患発症を高めます。
運転の合間などで軽いストレッチ運動を定期的に取り入れることが、身体的、精神的にも良い影響を与え事故リスクを減らすことが統計的に示されており、意識的なストレッチ運動を実践することで心身の健康維持に努め、事故を防止することが重要です。
【東京地連・道交法対策委員会】