2015.4.15号 No288 取り締まりのための取り締まり  交通取締り指導のあり方

■2015.4.15号 No288
取り締まりのための取り締まり
交通取締り指導のあり方

A交通の乗務員Bさんが、2014年6月15日に、渋谷の神泉三角地出口、本線へ合流するのに左折しか出来ない箇所で、方向指示器を点滅させて左折をしなかったと、合図不履行で取り締まりを受けました。
Bさんは一時停止をするまでは点いていたことの確認と取り締まりそのものの不適切を主張し、取り締りを指示した上司の氏名・官職を問いただしたところ答えないので、反則切符への署名も受け取りも拒否して帰社しました。2ヵ月後、合図不履行違反が処理されていませんという内容の「出頭通知書」が送られてきました。
出頭期日は、9月4日までと期限付きです。9月2日に当該乗務員さんと、労働組合のH書記長の2人で、事前に抗議文を作成し、こう言われたらこう言うというレクチャーしてから錦糸町へ出向きました。
最初、違反を認めないとして書記長の同席を求めると、「付き添いの人は外でお待ち下さい」といわれ、1時間以上待たされました。
担当官は「ここで起訴、不起訴を決定する訳ではありませんから、上げる書類に添付しますね。だからこれは見ません」と抗議文を指さしましたが、少し読みはじめ、慌てて席を外し上司らしき人物と相談をして困った顔で戻ってきました。
「ここでは書類を上げるだけですから」と再度いいわけをして、さらに「不起訴の場合は特に連絡はありません」といい乗務員さんは解放されたそうです。
抗議文には、隠れた取り締まりが「取り締まりのための取り締まり」であるとする内容が書かれていました。
1978年5月12日参議院附帯決議には「交通取締り指導のあり方」として、「交通指導取締りにあたっては、いわゆる点数主義に堕した検挙のための検挙あるいは取締りやすいものだけを取締る安易な取締りに陥ることを避けるとともに、危険性の少ない軽微な違反に対しては、警告による指導を積極的に行うこととし、ことさら身を隠して取締りを行ったり、予防または制止すべきにもかかわらず、これを黙認してのち検挙したりすることのないよう留意すること」とあります。
【北部ハイタク法規対策部】