2019.12.1号 No371 「ながら運転」罰則強化へ――1回の違反で免許停止処分も――

■2019.12.1号 No371
「ながら運転」罰則強化へ
1回の違反で免許停止処分も

スマートフォンなどを使用しながら車を走行させる「ながら運転」を厳罰化した改正道交法が12月1日、施行されました。違反点数と反則金が引き上げられ、懲役刑も重くなります。通話や画面注視により交通の危険を生じさせる「携帯電話使用等(交通の危険)」は、1回の違反で免許停止になるケースもあります。
全国的にも「ながら運転」事故で死者が出ています。昨年10月、道路を横断していた歩行者が乗用車にはねられ、死亡しました。運転していた男性=当時(38歳)は、スマートフォンのメールを確認しながら走行していました。
改正道交法では、運転中に携帯電話で通話したり、画面を注視したりして、交通の危険を生じさせる場合の違反は、すぐに刑事手続きの対象となります。
反則金を納付することで刑事責任を免れる交通反則通告制度の適用から除外され、罰則は従来の「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」から「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に強化されました。
また違反点数も2点から6点に引き上げられたため、1回の違反で免許停止処分となる「一発免停」の対象となります。
「ながら運転」を行っただけの「携帯電話使用等(保持)」の場合も、罰則は従来の「5万円以下の罰金」から「6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金」と、懲役刑が加えられ、強化されました。また違反点数は1点から3点に引き上げられました。
この改正道交法の施行により、事故の減少が期待されますが「ながら運転」が原因とみられる事故の捜査には、事故発生時にスマホを注視していたことを立証できず、「わき見運転」になるケースもあり、捜査関係者は「難しさが伴う」といいます。
「ながら運転」の立証には、スマホの使用履歴やドライブレコーダーの映像などが必要となり、捜査関係者は「状況に応じてあらゆる手法を活用して徹底的に捜査する」としています。
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【東京地連・道交法対策委員会】