2021.6.15号 No397 危険な小型乗り物――電動キックボード②――

■2021.6.15号 No397
危険な小型乗り物
電動キックボード②

5月に大阪・中央区の歩道で、モーターで走る「電動キックボード」が歩いていた48歳の女性に後ろからぶつかる事故があり、女性は首の骨を折る大けがをしました。キックボードはそのまま逃げ、警察は6月4日までに住所不定・無職のA容疑者(30才)をひき逃げなどの疑いで逮捕しました。A容疑者は、当時、知人の女性と2人乗りをしていたということで、警察の調べに対して容疑を認め「雨が降っていてしっかり前を見ていなかった。かなりのスピードが出るので、乗ることが何らかの違反になるとは思っていた」などと供述しているということです。
電動キックボードは原付きバイクとみなされていて、今回事故を起こしたものも、時速30㎞ほど出せるものでしたが、必要な登録や整備が行われておらず、ナンバープレートも付いていなかったそうです。
A容疑者は、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)などの容疑で逮捕され、同法違反と道交法違反(ひき逃げ)で、罰金50万円の略式命令となりました。
電動キックボードの危険性は、実践道交法394号(5月1日)で掲載しましたが、現在全国でヘルメットを必要としない電動キックボードが東京と全国で走り始めており、2021年10月までにノーヘルで運転できる電動キックボードの実証実験が実施されます。これは、経済産業省が認定した産業競争力強化法に基づく新事業特例制度によるもので、上記の地域において、マイクロモビリティ推進協議会に属する4社の電動キックスクーターを用いた公道走行実証実験が行われます。
この新事業特例制度にいち早く対応したのが、シェアサイクルサービスのB社で、同社は、新たに100台の電動キックスクーターを導入しています。現時点では都内約2200ポートで電動キックボードの乗り降りを可能としており、順次台数も利用可能な駐車ポートも増やしていくといいます。
経済産業省は、タクシーのみならず、「安心・安全を無視した実施ありきの実証実験」を強行しています。東京地連はこの危険性を警視庁交渉で指摘します。
【東京地連・道交法対策委員会】