2024.12.1号 No443 通行したら歩行者妨害で検挙の可能性――必ず一時停止し周囲の確認を
■2024.2.1号 No443
通行したら歩行者妨害で検挙の可能性
必ず一時停止し周囲の確認を
自動車を運転中、横断歩道や交差点などを通過するとき、渡ろうとしている歩行者に「お先にどうぞ」と道を譲られることがあります。歩行者の親切心にあやかって進んでもいいのでしょうか。
道路交通法第38条では「横断歩道または自転車横断帯に接近する時には、横断しようとする歩行者または自転車がいないことが明らかな場合を除いて、横断歩道等の直前で停止できるような速度で進行しなければならない」と定められています。横断しようとする歩行者がいた場合、横断歩道等の直前で一時停止し、その通行を妨げないようにしなければなりません。また、信号のない横断歩道を通過する時は、急に歩行者が出てきても止まれるように、減速することが必要です。横断する歩行者を妨害した場合は「横断歩行者妨害違反」として、違反点数2点と反則金9000円が科されます。
ジェスチャーなどで「先に行っていいよ」と合図された場合はどうでしょうか。コミュニケーションが成立したと判断し、先に行かせてもらった経験がある方もいるかもしれませんが、この場合は違反にならないのでしょうか。法令で定められているのは「歩行者がいる場合には横断歩道の直前で一時停止すること」と「歩行者の通行を妨げないこと」の2点です。そのため「歩行者が譲ってくれたかどうか」というのは一切関係がなく、横断歩道の直前で一時停止しなかった場合には、れっきとした違反になってしまいます。
歩行者の合図を確認して通行した場合でも、横断歩行者妨害違反として検挙されたという事例が多数報告されているため、まずは歩行者に合図し先に横断してもらうか、横断の意思がないことを確認するほうがいいでしょう。
譲る合図をしたのが歩行者1人だけとは限らず、反対方向から横断しようとする歩行者がやってくる可能性もあるため、一方だけではなく周囲をよく確認することも大切です。 横断歩道での歩行者の優先は法令で定められたルールですので、歩行者がいる場合は必ず一時停止し、歩行者の横断後に周囲の状況を確認して通行しましょう。
【東京地連・道交法対策委員会】