2016.7.1号 No311 現場検証 現場に行くと新たな発見がある
■2016.7.1号 No311
現場検証
現場に行くと新たな発見がある
事故が発生したとき、警察は実況検分を行います。それによって、どのような事故であったのかが検証されることになります。しかし、警察だけに任せていたのでは真実は見えてきません。特に重大事故であった場合、ちょっとした判断の違いで当事者の未来が変わってしまうこともあり得るのです。
事故の連絡は、警察、消防署、会社だけではなく組合にも入れることを忘れてはいけません。現場を見て助けてくれるのは組合だからです。
現場に行くと、それまでに気付かなかった点、見えなかった物など、新たな発見があります。現場検証により、警察や検察の捜査を圧倒する現場の情報(証拠)を集め、プロの運転手としての意見を出し合うのです。それらの情報から、本人の過失はどのくらいか、組合としてたたかうべき事件かどうかを確認し、減刑の嘆願か、不起訴闘争か、「加点入力停止申し立て書」を送付すべきかどうかなどを考えます。
つまり現場検証の目的は①現場の情報(証拠)を集めること。②意見を出し合うこと。③それらから取り組みの方針を決めること―です。
では、どのように現場検証を進めればいいのでしょうか。現場検証は、①なるべく早く行う。②発生時の条件に近い状態のときに行く。③なるべく同じ車、被害者側の自転車などもできる限り同じものを用意する。④現場では、改めて本人に丁寧に最初から説明させる。⑤参加者から現場で意見を出してもらう。⑥何が問題になるかを考えて、それに即した調査、計測、写真撮影をする。⑦現場には何度も行く―ことが大事です。
早く行けば証拠や警察の実況検分の跡が残っていますし、記憶も薄れていません。同じ条件でやらなければ見えてこないものもあります。さらに被害者をどこで発見したのか、スピードがどのくらいで衝突するまでどのくらい時間がかかったのかを考えます。それらから、空走距離と制動距離がわかり、避けられたのか、避けられなかった事故なのかがわかり、責任の所在が判明するということになります。
まずは現場に行くところからはじめましょう。
【東京地連道交法対策委員会】