2014.11.15号 No281 「結果予見及び結果回避の可能性がない事故」を主張 不起訴確定
■2014.11.15号 No281
「結果予見及び結果回避の可能性がない事故」を主張
不起訴確定
今年6月5日の深夜午前2時頃発生した、日本交通労働組合千住支部のKさんの自転車との衝突重傷事故で、組合法対部の取り組みにより、不起訴が確定。行政処分においても入力点数ゼロという結果を得ることができました。
この事故は北千住駅本町センター通りのT字交差点で、パトカーの追跡から逃走中の専門学校生徒(19歳)が運転する自転車が、無灯火で一時停止の道路標示と標識を無視し、猛スピードで同交差点に進入。制限速度の30キロで走行していたKさんが、自転車に気づき急ブレーキをかけましたが、避けきれずに衝突、自転車の運転者が全治1ヵ月の重傷を負ったものです。
Kさんは当時在籍していた他の労組に相談しましたが取り合ってもらえず、当労組に相談、すぐに加入しました。
警察は最初、この事故を単にタクシーと自転車の出会い頭の事故として処理し、実況見分も供述調書も終了していましたが、組合法対部は、パトカー追跡中の事故で、ただ急いでいる自転車と脇目もふらず逃走している自転車とはスピードが違うことを主張し、実況見分と供述調書のやり直しを了解させました。
直ちに組合独自の現場検証を行い「現場見取り図」を作成。「加点入力停止申立書」を行政処分審査登録課に送付しました。
また警察のやり直しの実況見分には5人の法対部員が立ち合い、その後すぐに行われた4時間にわたる供述調書の取り直しにも「陳述書」を提出、当方の主張を書き込ませることができました。
その後、9月30日に東京地検からの呼び出しがありました。組合側から「不起訴要請書」を提出し、警察庁20号通達にいう「結果予見及び結果回避の可能性がない」つまり避けられない事故であることを主張しました。約2時間に及ぶ事実確認が行われた結果、即日「不起訴」が確定しました。
また行政処分においても、先に提出していた「加点入力停止申立書」が功を奏し、9月27日時点、さらに11月10日時点においても入力点数ゼロで、全治1ヵ月の重傷事故にもかかわらず加点もなしということになりました。
【日本交通労組・吉永利秀】