2022.6.1号 No414 改正道交法施行――2種免許取得緩和――

■2022.6.1号 No414
改正道交法施行
2種免許取得緩和

改正道路交通法が2022年5月13日から施行。実戦道交法2021年4月1日号で内容は既報しました。今号で改めて内容と問題点について記載します。
第二種免許は特例講習カリキュラムの実験教習および走行実験で36時限としました。これにより、21才以上取得要件が特例で19才から取得可能となり、利用者の安全に対して逆行する規制緩和の法整備となっていることが問題点です。
一方で、高齢者運転者対策として①運転免許証・更新制度の見直し。②安全運転サポート車等限定条件付き免許の導入。③75才以上のすべての更新予定者が受ける新認知機能検査。④75才以上で一定の違反歴のあるものが受ける運転技能検査となっています。
免許更新制度は70才~74才までは、現行通りの「高齢者講習」を受講すれば更新が可能。75才以上は、新たな認知機能のスクリーニング方法に関する調査に3項目。
A 視線検出技術を用いた検査は、検査時間4分間程度でタブレット端末で可能となる。
B 音声による検査は、スマホやタブレットで20秒ほどの音声入力で可能となる。
C 会話内容による検査は、スマホやタブレットで5分程度自由会話をテキスト化し判定する。となっており、3項目の検査をクリアするか「医師の診断書」を提出した者は、検査が免除されるとなっています。
さらに、75才以上で一定の違反歴のあるものは、運転技能検査を行い第二種免許は、80点以上(第一種免許は70点以上)となっています。試算によると、第一種免許で75才以上の更新予定者212・5万人のうち運転技能検査対象者は、15・3万人(7・2%)で合格基準に達しないものは、3・5万人(1・6%)となっています。政府は、一般高齢運転者の免許返納を促す目的となっています。
自交総連の「タクシー運転免許構想」は、運転者の資格取得要件を厳格化することで、利用者の安心・安全を担保する内容となっていますが、この法律改正では資格取得が緩和される内容となっていることを指摘しなければなりません。
【東京地連・法対部】