2016.2.1号 No302 スタッドレスは全車輪に装着 特性を理解して十分な注意を

■2016.2.1号 No302
スタッドレスは全車輪に装着
特性を理解して十分な注意を

1月18日には東京にも雪が降り積もり、交通機関が一時的に麻痺しました。
国土交通省は毎年雪による自動車事故等が発生していることから、「降積雪期における輸送の安全確保の徹底について」とした通達を、2012年12月18日に国自旅第367号として全タク連や個タク協などに出しています。
通達には、輸送の安全確保に万全を期すために、①積雪・凍結等の気象及び道路状況により、早期にスタッドレスタイヤ及びタイヤチェーンを装着するよう徹底を図ること。②乗務員に対して、スリップの要因となる急発進、急加速、急制動、急ハンドルを行わないよう指導するとともに、道路状況、気象状況に応じた安全速度の遵守、車間距離の確保について指導を徹底すること―などとあります。
しかし、未だにスタッドレスタイヤを駆動輪2つにしか取り付けない事業所や10年近くも同じタイヤを使用している事業所があります。
国土交通省は、スタッドレスタイヤを使用する際の注意点として、「スタッドレスタイヤは、全車輪に装着することが基本となっており、一部のタイヤのみに装着した場合は、車両の挙動が安定しないなど、十分な滑り止め効果が得られません」としています。駆動輪のみにスタッドレスタイヤを装着して走行すると、滑り止め効果が得られないばかりか、ノーマルタイヤとの摩擦力に差が生じてしまうため、車両の挙動が安定しなくなり、いつもどおり加速するのに、曲がれない・止まれないという危険な状態となることがあるのです。
スタッドレスタイヤを装着していても、雪上路や氷上路では過信せずに急発進、急ブレーキ、急ハンドルはやめましょう。カーブの手前では安全に曲がれる速度まで落として走行し、十分な車間距離と慎重な運転を心掛けましょう。またスタッドレスタイヤは、晴天時にはタイヤゴムが柔らかいためノーマルタイヤよりもグリップ力が落ちる特性があります。雨天時にも、車両の制御が一時的にしづらくなるハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。特性を理解して十分に注意しましょう。
【東京地連道交法対策委員会】