2016.11.1号 No315 毎年増加の傾向にある信号無視 車速50㌔では止まれない

■2016.11.1号 No315
毎年増加の傾向にある信号無視
車速50㌔では止まれない

昨年に引き続き、自交総連東京地連加盟組合の協力を得て、交通違反について分析しました。特に2015年度は違反そのものが昨年の907件から1361件と急増しています。
違反の種類では、今回も第1位は255件の信号無視違反でした。
特にこの「信号無視」は毎年増加の傾向にあり、今年も昨年の214件に比べ増加していることから、免許証を守る観点からも、どう対処すればよいか考察しました。
信号が赤に変わったとき、交差点を渡りきっていることが最善であることはいうまでもありませんが、警察の見解では交差点の中心を越えていなければ違反となります。
運転者がブレーキをかけようと判断した地点から自動車が停止した地点までの距離、「停止距離」は空走距離と制動距離とにわけられます。「空走距離」は、運転者がブレーキが必要と判断した時点からブレーキが効きはじめる時点までの距離です。普通のケースでは、車速50㌔の場合の空走距離は、約10・4mとなります。
また、「制動距離」は、制動措置によりブレーキが効きはじめ、自動車が停止するまでの距離です。車速50㌔の場合、乾燥路面で急ブレーキをかけたときの制動距離は、約14・1mになります。
つまり、車速50㌔で走っていた場合、交差点の手前約25mで急ブレーキをかけないと停止線では止まれないということになります。
例えば、永代通り大手町の交差点を例にとると、車両長が約5mの車では、停止線から交差点の中心を過ぎるまでは29m、渡りきるには41mです。
黄色信号の点灯時間は通常3秒間となっています。
車速50㌔の場合、3秒間で走る距離は41・7mとなることから、停止線手前20mで黄色に変わったときでは、急ブレーキをかけても止まれない。そのまま走っても信号無視になってしまうということです。
このことからわかることは、交差点に近づいたら、速度を落とすとともに、歩行者信号の変化にも気をつけることが重要になってきます。
特に、信号無視違反の摘発の多い大きな交差点では注意が必要です。
【東京地連・道交法対策委員会】