2016.12.15号 No318 人身事故を起こしたら 3つの処分に対処すべく方針を決める

■2016.12.15号 No318
人身事故を起こしたら
3つの処分に対処すべく方針を決める

前回の記事で協力していただいた50組合からは、昨年度15件の人身事故が報告されていますが、今年度に入ってからも4件の人身事故の処分が確定しています。
実際に、人身事故を起こした場合に当事者が何をしたらよいかを考察してみましょう。
まずは、①救護義務。②消防署に通報。③警察に通報。④会社に連絡。⑤組合に連絡―です。ここで⑤組合への連絡を怠ってはなりません。日数が経てば手遅れになることもあるからです。組合も、所属するブロックの道交法対策部や法規対策部と連絡をとり、対策会議を開催しましょう。
人身事故を起こすと①行政処分…免許の点数加算、停止、取消。②刑事処分…罰金・懲役・禁錮等の刑罰。③民事処分…被害者への損害保証―の3つの責任を負う義務(処分)が発生します。
対策会議では、過失割合の確認などから現場検証をするべき事案かどうかを協議し、必要であれば早急に現場検証を実施し、情報を集め、事件を精査して事故についての方針を決めます。
行政処分に対しては、当方に過失がないか、あってもごく僅かであると思われる場合は、なるべく早く行政処分審査・登録課に「加点入力停止の申立書」を送付します。現場写真、現場見取り図を添えて当方の正当性を主張します。
それでも点数が入力され、免許停止の対象になり、聴聞の通知が来た場合は「嘆願書」を作成し、行政処分課に事前交渉し、さらに聴聞会場で補佐人を立てて処分の減免を主張します。被害者から「軽い処分で済ませてほしい」旨の嘆願書・上申書をもらえるように努力することも大切です。
刑事処分においては、地検から呼び出しがきたら、「不起訴要請書」(嘆願書とほぼ同じ内容で可)を作成し持参して要請します。
民事処分では、道義的責任も絡みますので、当方の過失割合が低いと思えても被害者にはお見舞いに行きましょう。会社に任せきりにしたために示談が長引いて謝罪もなく不誠実だということで罰金が増えてしまったり民事訴訟を起こされたりする例もあります。
【東京地連・道交法対策委員会】