2023.6.1号 No427 早めのアクションで 不当な検挙を撤回――車載映像と 正確な現場検証資料が決め手に――

■2023.6.1号 No427
早めのアクションで不当な検挙を撤回
車載映像と正確な現場検証資料が決め手に

交通ルールを守り運転しているのに違反として検挙される場合があります。このようなケースが多いのは横断歩行者等妨害等違反で、数年前より警視庁が取り締まりを強化したことから、取り締まり件数は増加傾向にあります。
道路交通法38条の2に定められている「ルールに違反し、横断歩道上もしくは横断歩道のない交差点(その付近)で歩行者の横断を妨害すること」を、「歩行者妨害」としています。しかし、検挙基準が不明瞭な点も多く、現場警察官の判断が基準となっているのが現状です。
K労組のNさんは、昨年6月の午前11時頃、代々木駅近くの横断歩道付近で白バイ警官に横断歩行者等妨害等違反で検挙されました。Nさんは違反した認識はなく、その場で20分ほど不当な取り締まりではないかと掛け合いましたが、有無もなく違反キップを切られましたがサインはしませんでした。
翌日、勤務が終わり、Nさんは組合法体部に相談し、自分が違反していない理由を訴えました。法対部は会社に違反事案の報告とともに、車載カメラの映像提供を求め、事故・違反担当の職員も映像を確認したところ、Nさんは横断歩道の手前で一時停止をして歩行者が途切れた時点で横断歩道を通過していることがわかりました。
早速、Nさんとともに現場検証をしました。その結果、白バイ警官2人は横断歩道から30㍍後方で現認しており、そこからは自転車置き場や路肩に植えられた草木もあり、明確に横断歩道上を確認することが困難なことが発覚。現場写真、距離などを記載した見取り図を作成し、違反を現認することが困難な点を列記した証拠書類を作成しました。
検挙されてから2日後、Nさんらは車載カメラ映像と現場検証でまとめた書類を持参し検挙した交通機動隊を訪ね、白バイ隊の管理者に面接し、違反検挙の撤回を求めました。 その結果、違反が撤回され、一度加点された違反点数も取り消しとなりました。決め手となったのは、明確な証拠映像と証拠書類、早めのアクションが鍵となっています。警察官との対応の仕方などを学ぶことが道交法闘争の第一歩となります。【東京地連・道交法対策委員会】