2015.2.1号 No284 信号無視歩行者の死亡事案 「現場検証」実施と「加点入力停止申立書」送付を迅速に対応

■2015.2.1号 No284
信号無視歩行者の死亡事案
「現場検証」実施と「加点入力停止申立書」送付を迅速に対応

H交通(株)H営業所勤務の組合員Aさん(67歳)は、2015年1月7日午前0時21分頃、大久保通りを新大久保から明治通りに向かって空車で進行していました。
大久保2丁目の交差点を青信号で右折し、そのまま明治通りの第1車線を時速約32㌔で走行。東京都新宿区新宿7-27先の信号機のある交差点を、青信号で通過しようとしたとき、右から赤信号を無視して道路を横断してきたMさん(61歳)の姿に気づき、ブレーキをかけましたが間に合わず衝突してしまいました。当日の天候は晴れでした。
衝突後、Mさんはいったんボンネットの上に乗り、それから停止した当方車両の右前方に転がり落ち、倒れたまま起きあがれず、両手はオーバーコートのポケットに突っ込んだままでした。
Aさんは車から降りてMさんに声をかけましたが反応がないので、携帯電話で警察に連絡。警察から救急車を呼んでもらい、警察が来るまで二次災害が起こらないよう車を誘導しました。
Mさんは脳挫傷で重傷ではありましたが、意識は回復して命に別状はないということでした。しかしその8時間後、午前8時30分に死亡しました。
南部道交法対策部ではこの事故を重視し、さっそく1月12日に現場検証を行いました。
その結果、①この事故はMさんが赤信号を無視し、横断を開始したのが最大の原因であって、周囲に注意を払いながら時速約32㌔で走行していたAさんに過失はないこと。②深夜にもかかわらずMさんの服装は黒っぽく発見しづらい状況だったこと。③対向車線を一群の車輌が走行しており、そのヘッドライトの光でMさんの姿が見えなくなる現象が生じ、発見しにくい状況にあったこと。④中央分離帯のフェンスもMさんの姿を発見しづらくしていたこと―などが判明しました。
さらに空走距離、制動距離を考慮に入れれば、警察庁20号通達にいう「結果予見及び結果回避の可能性がない」登録除外の事案に当たると判断し、南部道対部ではすぐに「加点入力停止申立書」を作成し、警視庁行政処分・審査登録課に送付しました。
【南部道交法対策部・吉永】