2017.5.15号 No325 自転車活用推進法 急務なのは道路の整備 法律遵守の意識を高めること

■2017.5.15号 No325
自転車活用推進法
急務なのは道路の整備 法律遵守の意識を高めること

「自転車活用推進法」が、今年5月1日に施行されました。
同法は昨年の12月9日に参院本会議において全会一致で可決成立したもので、第1条には「(略)…自転車の活用による環境への負荷の低減、災害時における交通の機能の維持、国民の健康の増進等を図ることが重要な課題であることに鑑み、自転車の活用の推進に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び自転車の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、自転車活用推進本部を設置することにより自転車の活用を総合的かつ計画的に推進することを目的とする」とあります。
この条文にある「自転車活用推進本部」も同日、国土交通省の道路局内に設置されました。本部長を国土交通大臣とし、本部員に①総務大臣。②文部科学大臣。③厚生労働大臣。④経済産業大臣。⑤環境大臣。⑥内閣官房長官。⑦国家公安委員会委員長―等となっており、本格的な取り組みが期待されます。
「自転車の利用が公共の利益に資する」と法で初めて明文化されたとして成立の意義を主張するむきもありますが、逆に自転車が市民権を得たとして法規を無視するかのように振る舞われても事故が増えるばかりです。まず、実施しなければならないのは、重点施策にあげられている「自転車専用道路や自転車専用通行帯などの整備や路外駐車場の整備によるパーキングメーター等の削減などを国や自治体に求めること」です。
東京地連は、東京都・警視庁に交渉において、①自転車においては、改正道交法の趣旨に基づき取り締まりを徹底すること。②自転車の死亡重傷事故を減らすため、自転車レーンの不備を改善するとともに運転者講習の義務化やヘルメット着用の義務化など、啓蒙活動を徹底すること―等を要請しています。警視庁としても「街頭での指導・取締り活動を強化している」「交通安全教育等で、交通ルールの周知をはかっている」としていますが追いついていないのが現状です。道路の整備とあわせて急務なのは自転車運転者の法律を遵守する意識を高めることです。
【東京地連・道交法対策委員会】