2015.9.1号 No295 全国交通安全運動がはじまる 右側からの歩行者横断に注意

 ■2015.9.1号 No295
全国交通安全運動がはじまる
右側からの歩行者横断に注意

警視庁は、今月21日からはじまる秋の全国交通安全運動を前に、9月6日現在で、今年に入ってから都内で交通事故で亡くなった人は111人に上っていると発表しました。
また、警視庁の2014年の統計によると交通事故は近年減少し続けており、事業用自動車も同じ傾向にありますが、事業用自動車の関わる死亡事故は、ここ3年は増加の傾向にあります。
今年になり、組合員が当事者となる道路横断歩行者(高齢者)の死亡事故が相次ぎました。警視庁の統計でも、今年上半期の高齢者(65歳以上)の死亡事故は24件で都内の交通事故による死者数77人の31.2%を占めており、年齢層別では最も高い構成率になっています。そのなかでも歩行中が最も多く、高齢者全体の54.2%を占めており、横断歩道外横断、信号無視、横断禁止場所横断の順に道路の横断中が多くなっています。
さらに、国土交通省が毎週発行しているメールマガジン「事業用自動車安全通信」から、今年1月から7月末までの、都内におけるタクシーが関連する重大事故を抜き出してみました。
死亡事故は10件あります。そのなかで、道路横断中の歩行者を轢いたものが7件、道路横断中の自転車をはねたものが1件です。残り2件のうち1件は前を走行していた車両がはねたとみられる歩行者を轢過したものとしていますが、前の車両がはねる前に倒れていたか等、どの時点で死亡したかは不明です。もう1件は、タクシーが交差点で信号無視をしてトラックと衝突。乗客がくも膜下出血で死亡したものです。
メールマガジンでは、死亡者が高齢者かどうかは記載されていませんが、特筆すべきは道路横断中の事故が多いということ。さらに、右側からの横断が8件中6件です。
タクシー労働者においては、高齢化に加え、くらしを維持するための超長時間・過密労働が過労とあせりを生んでいます。事故防止の観点から、夕暮れ時の早めの点灯、前照灯を最大上向きにする微調整が必要です。また、交通量が閑散としている場合は特に右からの横断に注意するなどの対策が必要です。
【東京地連道交法対策委員会】